スペイン紀行
バルセロナ紀行
セゴビアは紀元前1076年ノア(の箱船)の曾孫エジプトのヘラクレスによって建てられたと言う。今から2000年前のローマ人の到来とともにセゴビアはその名を表し始めた。
それ以前のケルト人はローマ人に激しく抵抗した…と書かれている。
水道橋(すいどうきょうと読まれたし)はセゴビアの象徴でありローマ時代の遺跡の中でも最も興味深いもののひとつでありローマ帝国の建築物の中では芸術的にも技術的にもさも優れている。その昔水汲みの仕事は重労働であったに違いない。この水道橋のおかげでセゴビアの市民は随分助かったのではなかろうか。それにしても遠大な構想である。セメントをいっさい使わず切石を積み上げただけの工法で紀元一世紀中頃から2世紀のはじめに建てられたこの水道橋 よくも作られたり崩れず現存しているものと 地震の多い国民のいたく感嘆し、感心するところ。全長724m 一番高いところが28.9mにも達する。アーチ数は88とガイドブックには書かれている。
バスの走行中の車窓から住宅建設中の光景を目にする。えっ〜!あんな建築なの細い石柱…鉄筋の入っているものもあると言うが、そのまま煉瓦を積み上げて完成とか。信じられない。地震大国の日本人にはとうてい考えられない建築基準である。地震がないのだから倒壊の心配はない…と言う。震度4あたりを度々経験している我々にとってはとても信じ難い建築である。地震がないと自信を持って言われても気持ち悪い。とうてい長居できるものではない。20世紀にわたり倒壊せずに原形をとどめている水道橋のそばからも早く離れたかった。地震が来たら…と言う懸念は何時も頭の片隅に残っている…これは日本人 我だけであろうか?… 君子危うきに近寄らず…君子ではないけど
危うきに近寄りたくない。ところで今まで泊まってきたホテルもみなそんな建築方法なんだよ…とガイドさんから言われると 二の句が告げられない。
大聖堂(プラサ・デ・ラ・カテドラル)古いサンタ・マリア大聖堂の建設は1136年から1144年の間に始まったらしい。1520年コムニデース戦争が始まり王権派は大聖堂に立て籠った。その結果は大聖堂の破壊に終わった。この大聖堂は15世紀に再建されたものとガイドには書かれている。が完成にはまだ多くの年月を要した。1614年塔の尖頭に雷が落ちて壊れまた火事によって屋根が崩れた。
1768年聖別された大聖堂は 長さ105メートル 幅50メートル 身廊の高さは88メートルにも及ぶ。その細長く優雅に輝いている姿が「大聖堂の貴婦人」と呼ばれるのもうなずける。
日本の女性はスペイン人に人気がある。大和撫子…夫に尽くすイメージがあるらしい。我が家のかみさん達も ナデシコを名乗っている。20名ほどの同好会(旅行や遊びの)を結成している。が大和撫子のイメージではない。カワラナデシコ?…悪くは言えない時折便乗で旅行に連れて行ってもらうからだ。
では日本の男性諸君はスペインでどう思われているのだろう?…横柄で威張り散らしていると思っているらしい。最近借り物の猫のような男性や自分の意見を言えない男性も多くなっているが…
ホテルへ到着するとその対応は顕著であった…オラオラ…愛想良く女性は迎えられるが日本男性にはがらりと態度を変えてうさんくさそうな敵意さえ感じる目つきで見下す。「嫌な奴が来た」と言わんばかりだ。そんな態度に面食らう。日本の旅館では三つ指ついた女将が下へも置かぬ応対ぶり…それは殿様になったようなハイな気分だ(バカ殿様?)
スペインでは過剰なサービスはない。部屋の鍵を渡したら好きなようにやってくれと放し飼いだ。部屋についてもお茶も和菓子も勿論ない! 飲み水はアグアと言う。これも有料である。コーラーやビールの料金とたいして変わらない。
アルカサル…大聖堂とも城とも城塞とも訳されている。どれも正しいと書かれてもいる。
スペイン人は寛大である…と添乗さんは説明する。小さな事に拘りを持たない。他人のことをとやかく非難中傷しない…その代わり他人からも非難中傷はしてもらいたくない誇り高き国民です。と言う。従って信号も守らない。人が良ければそれで良いじゃないの好きなようにさせておくさ 人は人俺は俺だ… と言う意識である。人のことにはお構いなし…一面冷淡な性格とも受け止められる。善意の押し売りやいちいちあれこれ口出しをしたい一言居士…そういう人は居ないらしい。利己主義は良くないことだが個人主義なら良いんじゃないか…と私は思う。
小学生の時から勉強の出来ない子供はどんどんお構いなく置いて行かれる。学力がなければ何年でも留年すると言う。 日本ではどうか?…我が身を振り返る。学力がなくても授業に出席してさえいれば進級できた。義務教育は無事退学も留年もなく過ごすことが出来た… 幸と言うべきか?… 子供の頃には画家か小説家になりたいと思っていた。大志は抱いていたが現実は甘くない… しかし今デジタルカメラを撮したり小説家もどき駄文を書いたりしている。